木 村 昭 司法書士事務所 011-271-5661
公正証書遺言の特徴、作成手続き、具体的手順、費用について
①長 所
○紛失、隠匿、偽造、変造の危険を防止できる。
⇒原本は、公証役場に保管される。
○遺言の存在と内容を明確にできる。
⇒コンピューターにより管理しているので、検索が容易、且つどの公証役場でも無料で照会できる。
遺言者が死亡した事、照会者が相続人であることの証明が必要(戸籍謄本、印鑑証明書、自動車運転免許証等)
但し、日公連が管理する平成元年以降の作成分に限る。
○公証人が内容をチェックするので、形式上の不備や内容の不明確さを排除できる。
○相続開始後、直ちに遺言の内容を実現できる。
⇒裁判所の検認手続きが不要
○字が書けなくても遺言ができる。
②短 所
○厳格な作成手続きが必要である。
○証人2名以上の立会が必要である。
⇒相続人、受遺者及びその配偶者、直系血族は証人になれない。
○作成費用がかかる。
○遺言の存在と内容を秘密にできない。
①証人2名以上が立会をする。
②遺言者が遺言の趣旨を公証人に口受する。
⇒口がきけない者が公正証書によって遺言をする場合には「口受」に代えて「通訳人の通訳」(手話通訳)による申述又は、「自署」(筆談)による。※
③公証人がその口受を筆記し、遺言者と証人に読み聞かせ、又は閲覧させる。
⇒遺言者または証人が、耳がきこえない者である場合は、読み聞かせに代えて筆記した内容を「通訳人の通訳」(手話通訳)により遺言者または
証人に伝えて「読み聞かせ」に代えることができる。※
④遺言者と証人が、筆記の正確なことを承認したあと、署名し実印を押す。但し遺言者が署名することが出来ない場合は、公証人が、その事由を
付記して、署名に代える事ができる。
⑤公証人が以上4つの方式に従ったものである事を付記して、署名押印する。 公証人は前記の※の方式に従った場合は、その旨を証書に付記する。
1.遺言者の事前の準備
①証人2名を決定する。
②遺言執行者を決定する(任意ですが決めておいた方が良いでしょう)
必要種類
『市区役所・町村役場で取り寄せる書類』
・遺言者の印鑑証明書1通
・相続関係のわかる戸籍謄本
・不動産の固定資産評価証明書
・受遺者の住民票(遺贈の場合)
『法務局で取り寄せる書類』
・不動産の登記簿謄本
『その他』
・遺言の内容や財産を記載したメモ
・証人の住所、氏名、職業、生年月日を記載したメモ
2.公証人との事前の打ち合わせ
①収集した書類を公証役場に持参して、事前にどのような遺言にしたい
のかを伝える。
②費用の概算を確認しておく。
③あらためて訪問の日時を決定する。
3.当日に行う手順
①遺言者と証人2名が公証役場へ行く。
②遺言者が公証人と証人の面前で遺言の趣旨を口受する。
③公証人による読み聞かせ、または閲覧の後遺言、証人の署名押印
④公正証書遺言の正本と謄本が交付される。
⇒公証役場には原本1通が保管される。
4.当日、持参するもの
印鑑(遺言者は実印が必要だが、証人は認印でも良い)